遺産相続の流れ

そして、相続手続は漏れなくやることももちろん大切ですが、スケジュールを守ることが何よりも大切です。「忘れていた」「知らなかった」は通用しません。そうなってしまってからでは取り返しがつかなくなることもあります。
正しい知識で愛情の継承 / 相続手続は確実に
スケジュールと流れが重要!相続手続一覧
相続で発生する一般的な手続きと期限は以下の通りです。
相続手続の中でも、代表的なもので、専門家に依頼しなければ解決しにくい手続きは、次の通りです。
相続した財産より借金の方が多かった場合の相続放棄手続もお手伝いさせていただきます。
不動産を相続したら、まず登記が大切
不動産の名義変更
亡くなった方が不動産を所有していた場合、この不動産の名義を遺言や遺産分割協議で、相続した人に移す必要があります。これを相続登記(不動産の名義変更)といいます。
- 何代にも渡って相続登記を放置していると、相続人の数も増え、それに伴い権利関係が複雑になり、遺産分割協議を行うことが難しくなります。
- 相続登記に必要な公的書類には保存期間が短いものがあり、処分されてしまうと余分な手間や費用がかかります。
こうなってしまうと不動産の名義変更(相続登記)を行うことは難しくなり、時間、労力、 費用が余分にかかってしまいます。また、不動産の名義変更(相続登記)が完了していないと、不動産を売却したり、担保に入れたりすることができない、などの不都合が生じます。
なお、事業を営んでいた方が亡くなったケースで、根抵当権を設定して金融機関から融資を受けていた場合は、相続開始の時から6か月以内に根抵当権の登記をする必要があります。また、住宅ローンを組んでいた方が亡くなった場合、団体信用生命保険で住宅ローンが返済されます。この場合住宅ローン完済による抵当権の抹消登記が必要になります。
不動産売却前の相続登記・売却時の登記手続もお任せ!
相続不動産の売却
相続した不動産を様々な理由で売却することも考えられます。
- 相続財産が不動産のみで分けられないので、売却して代金を分けたい
- すでに自分の持家があるので、相続した不動産は売却したい、賃貸したい
- 不動産を売却して相続税の納税資金を確保したい
- 広い土地なので一部だけ売却して、残りは自分で所有したい
香川県高松市の相続遺言相談所では地域に根付いた不動産会社と連携して、あなたの不動産の売却手続きをお手伝いさせていただきます。また、広大な土地の一部を売却したい場合には、土地の分筆登記を行います。土地家屋調査士と連携して分筆登記もお手伝いさせていただきます。
全体の約5%!相続税を納める必要のある方
相続税の申告
相続という言葉から相続税をイメージする方も多いと思いますが、相続が発生して、相続税を納めなければならない人は、全体の5%程度です。これはなぜでしょうか?
- 相続税には基礎控除や配偶者控除など、手厚い控除が認められていること
- 小規模宅地等の評価減の特例など一定の人には税金がかからないような制度となっていること
まずは、相続税がかかるかどうかを調べるために、相続財産調査が重要です。
相続税の軽減を受けるためには、相続税の申告期限までに遺産分割協議が完了している必要があります。
相続の申告・納税期限は10か月!
このように、手続きをすべて行うにはあまりにも少ない時間です。
相続が発生した時は、早めに財産調査を行うことがいかに重要か、お分かりいただけたと思います。香川県高松市の相続遺言相談所では財産調査を行う際に、税理士と連携をとりながら手続きを進めることにより、相続税がかかるかどうかの判断を早い段階で行います。相続税の申告に関する手続きをスムーズに税理士に引き継ぎ、余裕をもった相続税の申告手続きが可能になります。
遺産が入ると思っていたら、なんと借金ばかりだった・・・
相続放棄
相続によって承継されるのは、財産ばかりではありません。
借金の方が明らかに多い!
残された借金が財産よりもあきらかに多いような場合、「相続放棄」という手続きをとることができます。 相続放棄の申し立て期間は、相続があったことを知った時から3か月です。
なんちゃって相続放棄ではいけません!
みなさんは、『相続放棄』という制度をご存知でしょうか?
文字通り、「相続」を「放棄」する。ということなのですが、自分で、「相続を放棄する。」と言っただけではいけません。相続放棄は、期限内に家庭裁判所に申立てる必要があります。よく、「親の相続の時に自分は何もいらないから。と言って相続を放棄したんだ。」という方がおられますが、これは単なる「相続分の放棄」であって「相続放棄」とは違います。借金は放棄できないので要注意です。
相続放棄は各相続人が、「自分が相続人になったことを知った時から3ヶ月以内」に、 家庭裁判所に対して「相続放棄申述書」を提出し、家庭裁判所に認められなくてはいけません。原則として、3か月を過ぎてしまうと認められません。
「借金が明らかに多い」場合は、すぐに相続放棄しよう。となるでしょうが、「自分は遺産はもらわないし、借金も兄貴が引き継ぐって言ってたけど。」なんて場合が要注意です。遺産はもらわなかったのに、後から借金取りが催促に来た。なんてことも考えられます。
前述した「なんちゃって相続放棄(相続分の放棄)」では対応できませんから、慎重に見極めたいですね。
借金があるみたいだけど、プラスかマイナスかわからない!
借金があるみたいだけど、財産とどちらが多いかわからない場合、「限定承認」という手続 きをとることができます。 限定承認は、相続によって得た財産の範囲で借金を支払えばよいという制度です。
限定承認の申し立て期間も、相続があったことを知った時から3か月です。
ご注意
- 相続放棄、限定承認どちらも相続があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所に申立てをしなければなりません。
- 相続財産を処分(例:お金を使うなど)すると相続を承認したものとみなされて、相続放棄や限定承認ができなくなります。